紀州熊野灘の沿岸でとれた新鮮な魚を丹念にさばいていきます。魚の種類は主に、エソやグチです。
さばきながら魚の鮮度や質を見極め、その後の「すり」の工程を調整していきます。また、魚政の場合、三枚におろした後、身と皮に分ける作業があります。これはごぼう巻用の皮を取り出すためです。
まず、魚肉をそのまますり潰し、身をほぐします。
魚の大きさや鮮度、気温などその日の条件によって、擂る時間も違ってきます。
その後、天然塩を加えます。
塩を入れることで魚肉に粘りが出てきます。
身の擂り加減を調整し、擂り上がった身に砂糖やみりんなどの調味料を加え、「本擂り」を行います。
この擂りの最中は、水分や温度を最適な状態に保つことが重要になります。
かまぼこ製造独特の歯のない包丁や型などを使いひとつずつ手で成形します。
ごぼう巻の成形はすべて手作業で、さばいた皮を巻いて形を作ります。
すばやく形を均一にするためには、熟練した技術が要求されます。
成形した商品は加熱工程へと進みます。
それぞれ、魚の種類や大きさ、その日の気候条件などにより温度や加熱時間を調整します。
なんば焼やごぼう巻は、焼き作業を行い、焦がしたり膨らんだりしないよう、火加減を調整して行います。
「地紙」という商品は、釜で蒸し上げます。